日本ではあたりまえのことも
日本ではごく見慣れた光景でもフランスでは・・・
ホームステイをさせていただいた時にかいま見た
フランスの暮らしの中のあれこれです

 1   洗濯とアイロン
★洗濯機
私はフランスで洗濯機は使った経験がないので聞きかじりなのですが、フランスの洗濯機は今日本でも人気の縦型ドラム式という形が主流のようです。
そして日本の同じようなタイプの物との一番の違いは、洗濯の時水温を指定の温度に設定できることでしょう。
つまりお湯で洗濯をする訳です。
かなり高い温度まで設定できるようです。
これはフランスの水が硬水であるためとか・・・
一般的にカルシウムが多く含まれる硬水は洗濯に不向きだそうですので
その硬水で汚れを落とす工夫が、お湯で洗濯するという方法なんでしょう。
実際にフランスで暮らした人たちのホームページを見ると、お湯で洗濯するこの洗濯機かなりの優れものらしく、白いTシャツなどは真っ白に洗いあがるそうです。
しかし生地は少々痛みやすいとか・・・
またカルシウム分を除去するメンテナンスをしないと洗濯機が動かなくなるとか・・・
硬水のミネラルウォーターは健康上のメリットはいろいろあるようですが、生活用水となるといろいろ不便があるようです。




★洗濯物干し
お天気の良い日には、庭先やベランダに洗濯物や布団が干してある・・・
日本では当たり前の見慣れた風景ですよね。
テレビの天気予報でも、洗濯予報なんていうのもありますよね。
これは日本だけではなく、アジアの国々では常識。
中国やシンガポールなどでは、物干竿が窓から縦に出ていたりしますが・・・
でもフランスでは・・・

フランスだけではなくヨーロッパの国々では
外に洗濯物を干す習慣が無いようです。
では洗濯物はどうするのか???
乾燥機が無い場合は部屋干しをするのです。
空気が乾燥しているので、部屋干しでも乾くそうです。
田舎に住むフランス人の友人のママの家では、広い家庭菜園の一角に洗濯用ロープが張ってありましたが
パリ郊外の庭付き住宅に住む友人の家でも、洗濯物は使っていない地下の部屋で干していました。
庭や窓辺を飾って自分たちだけではなく、道行く人たちにも楽しんでもらうという考えの違いなのでしょうね。




★アイロンかけ
友人と一緒に、友人の友人宅(フランス人男性)に泊めてもらった時のことです。
部屋干ししていた洗濯物が乾くとアイロンを出してくるのです。
ワイシャツ・テーブルクロス・シーツと次々アイロンをかけ始めたのです。
“わっ、この人マメなんだぁ〜!”と思っていると
今度はTシャツや下着までアイロンをかけ始めたのです。
泊めてもらっているし、手伝わなくてはと思っていたのですがさすがに声をかけられませんでした。

その後、フランス人男性と結婚してフランスで暮らしている日本人女性のホームページを見ていると
“フランスでは、部屋干しする洗濯物の除菌のためアイロンをかける”
という文章がありました。
それを読んで、フランス人男性のアイロンかけの謎が解けたようです
彼はマメな訳ではないのです。
ごく一般的なフランス人の習慣を実施していただけなのです。




 2   キスでごあいさつ
★bisou bisou(ビズビズ)
外国の方とのあいさつといえばハグを思い浮かべる人が多いでしょうね。
でもフランスでは・・・
フランスでのあいさつはbisou(ビズ)といって、お互いの頬と頬を軽くつけて唇を“チュッ”と鳴らすのです。
映画やテレビでこんなシーン、あなたも見たことありませんか?

私が初めてビズであいさつをしたのは、フランス語の先生だったかなぁ〜
右左と一度づつ・・・
恥ずかしがって逃げ回っている生徒さんもいましたけれど!?
なぜか私はあいさつと思っていたので、恥ずかしいなんて思わなかったのです。
フランスでは男性と女性、女性同士でもこのビズのあいさつをします。
右と左一度ずつ2回・・・

そうフランスに行くまではそう思っていたのです。

しかし初めてのフランス旅行で、ブルターニュに住むフランス人の友人のママの家にホームステイした時、駅まで迎えに来てくれたママとご主人にビズを2回して止めようとすると
“ブルターニュでは4回するのよ”と言われたのです。
フランスでも地域によって違うんだぁ〜
これがその時の正直な感想でした。

その後イギリス人のピーター・メイルの“南仏プロバンスの12ヶ月”の中にプロバンスでは男同士でもビズをする。
右、左、右と3回ビズをするのが正しいマナー・・・
という一節があり、本当に地域差があるのだと改めて思いました。
しかし人によって、最初のビズを左から始める場合もあるらしいのです。

ある年の年末、南仏の友人宅に行った時はそこで出会った人たちは確かに3回ビズをしていました・・・  男性同士でも・・・
あるリゾートで出会ったフランス人のおじいちゃまは、左右のビズでした。
またパリに住む友人(日本人)のご主人は出身がブルターニュということで、ビズは4回です。

これを読んで恥ずかしいなぁ〜と思ったあなた、ご安心ください!
ビズであいさつをするのは、親しい友人同士や親しい人から紹介をされた場合などです。
旅先でであった見ず知らずの人からいきなりビズであいさつなんてことは多分無いと思うので・・・
でもあなたが魅力的な女性だったら・・・
私には分かりません???



 3   トイレの話   
★フランスのトイレ事情
日本でトイレに困るってあまり無いですよね。
でもフランスではチャンスがあれば行っておいてください!
ホテルを出る前、カフェやレストランに行った時、デパートや美術館などなど・・・
機会さえあれば済ましてしまいましょう!
特にひとり旅の荷物を持っている場合は困ってしまいますので・・・
パリ市内など街中にあった有料トイレが無料になったと聞きましたが
故障中なのか、ドアーが開かないとこともあったとか・・・
また使用可能でも、あまり使いたいような状況ではなかったり・・・
急にトイレに行きたくなった時一番手軽なのは
カフェのトイレを使わせてもらうことです。
ただしコーヒーの一杯でも頼みましょう。
以前カフェのテラス席でお茶をしていた時トイレを借りようと中のカウンターでトイレの場所を尋ねたら、“席はどこなの?”なんて聞かれてしまいました。
きっとトイレだけ只で使わないでってことだったのかな??



★トイレの種類
一般的にはフランスのトイレは日本の洋式トイレと呼んでいるタイプです。
しかし地方のカフェや観光地などのトイレは事情が違っているようです。
私は実際に使ったことも見たことも無いのですが“トルコ式”といわれる和式のように座ってする金隠しの無い足を置く所だけがある
アジア地域で見かけるタイプ(分かるかな・・・・)
ただこのタイプで一番困るのが、流す水の量が多すぎること
勢いが良すぎて足元を濡らしてしまうことがあるそうです。
それを嫌がるフランス人は究極の選択で自分の足元をぬらさない方法を選択するそうです。
つまり用を足した後流さずにトイレを出るそうです。

また洋式トイレのタイプでも問題が・・・
なんと便座の無いことがあるそうです。
昔々大学構内のトイレに便座が無いのでマイ便座を持ち歩いたとか!?
便座が無いのは便座が盗まれるからとか、誰が座ったか分からない便座を気持ち悪がって使わないからなどなど諸説あるようですがこれはフランスだけではないようです。
東ヨーロッパ出身の若い女性がいる席でこの話をしたら
彼女は当然という顔で、“誰が座ったか分からない便座はいやだから腰を浮かせて用を足す”というのです。
居合わせた日本人からは信じられないという声が・・・

まともな・きれいなトイレを見つけた時は使っておきましょう。
それにつけても日本は恵まれている???



★ワンちゃんのトイレ
小型犬を連れて歩くおしゃれなマダム・・・フランスのイメージの一つですよね。
事実カフェやレストランなどで足元に愛犬を座らせている人を良く見かけます。
吠えたりウロウロしたりしないで、ワンちゃんのお行儀は良いのですが
飼い主のマナーの基準が日本と違っているのか
トイレが完備されていなかった時代、汚物を道路に捨てていた名残なのか
(だからハイヒールが誕生したといわれていますが)
歩道はワンちゃんのトイレとなっています。
気をつけて歩きましょう!!!
パリなどでは早朝ワンちゃんのトイレ掃除のため清掃担当者が働いています。
飼い主一人ひとりが気をつければよいことなのにと思う私は日本人的考えなのでしょうか。


 4   住まいや建物について   
数百年前の建物
日本でも京都や全国の小京都といわれる地域には、江戸時代の古い建物が現在でも大切に保存されているところがありますが、フランスでは日本以上に古いものを大切にしているように感じます。

プチホテル
フランスのホテルの区分に“プチホテル”というのは無いそうですが、日本では古い建物を改装した規模の大きくないホテルのことを、小さい・かわいいという意味で“プチホテル”と呼んでいるようです。
私はこのタイプのホテルが好きで何回か泊まりましたが、古い建物を生かし上手にリフォームしてホテルにしているなと感心させられました。
元は何に使っていたスペースなのか2〜3人にか乗れないような小さなエレベーターが設置されていますが、エレベーターの乗降口が階段の踊場にあり重い荷物があるときは大変だったり、部屋もダブルのベッドが置かれているためスーツケースを開くスペースも無かったりと不便な点もありますが、それもまたフランスのプチホテルらしくて気になりません。
むしろ伝統のある建物を大切にしているのだと好感を持てます。

シャトーホテル
古い建物を生かしたホテルといえば、昔のお城をホテルにしたシャトーホテルがあります。
ひとり旅が多い私は、ひとりで泊まるのは寂しすぎるとこのタイプのホテルにはまだ泊まったことがありません。しかしお姫様気分で一度は泊まりたいですね!
しかしシャトーホテルの多くが、建物の維持管理に多額の費用がかかるためホテルにしてその費用を捻出していると聞くと少し複雑な気持ちです。

パリのオフィス
友人が勤めるオフィスを訪ねたことがあります。場所はシャンゼリゼから少し入ったところにある石造りの古い建物の一室です。
訪ねたのが7月中旬、4〜5人のオフィスですが他の人は出張や休暇でその日の勤務は友人ひとりでしたのでオフィスの中を案内してもらいました。
部屋の中は表の雰囲気とはまったく違い、一人ひとりの小さな個室になったデスクスペースとゆったりとした共有部分や来客用スペースがあり、働きやすそうなオフィスとなっていました。
日本でも小京都といわれる小さな町には、江戸時代からの民家の建物の外観はそのままに銀行や会社として使われているところもありますが、シャンゼリゼのすぐ近くの建物の中に現代的なオフィスがあることに驚きました。



★住宅事情
フランスにも現代的なアパートや団地もありますが、どちらかというと古い建物に暮らすことを好む人が多いように思います。
またパリをはじめ大都市では、慢性的な住宅不足が続いているそうです。
特に留学などでフランスで暮らし始める日本人にとっては、住まい探しが大変なようです。
それはフランス人も同じで、住まいをシェアしている人もたくさんいるようです。

築数百年
フランス人の知人が住んでいる家は、数百年前の農家だった古い建物を改装したものでした。
天井には大きな梁があり、重厚な雰囲気をかもしだしていました。
二階の個室は屋根の勾配そのままの斜めの天井、まるで屋根裏部屋のような部屋でした。知人は自分の住まいが数百年前から受け継がれている建物であることを、自慢げに教えてくれました。
一緒に出かけたときに見かけた新興住宅地を通りかかると、ここの家は新しすぎると寂しそうに教えてくれました。
もし私がフランスで暮らす機会があるとしたら、私も古い建物に住みたいと思います。

●フランスの団地

パリにも郊外に大きな団地があるそうです。
1960年代地方から多くの人たちがパリにやってきて住宅不足になり、それを解決するために郊外に大きな団地を造ったそうです。
しかしその団地は居住者の満足するような住まいではなかったそうで、多くの人たちがその団地を出て行ってしまったそうです。
そしてその代わりにその団地に住むようになったのは、移民としてフランスにやってきた人たちだそうです。
これもフランスの一面です。

ボートハウス
パリのシンボルといえば、凱旋門にエッフェル塔、そしてセーヌ川
そのセーヌに住む人たちがいるのです。
セーヌ川に停泊した船を住まいにしているのです。
聞くところによると、このボートハウス普通の住宅より割高だとか・・・
ブローニュの森を抜けたあたりのセーヌ川岸に停泊しているボートハウスに友人が住んでいました。
1階部分は14〜5畳ぐらいの大きなリビングとキッチンスペース、その下にはバス・トイレと個室が2部屋あり、天井が低いことを除けばゆったりとした住まいでした。
友人はそのボートハウスを友人とシェアして住んでいました。
ちゃんと電気・ガスも引かれていて、郵便受けもあり普通の住宅となんら変わりはありませんでした。

日曜大工
フランス人は日曜大工好きらしい!?
マレのパリ市庁舎前にあるBHVという庶民的なデパートに行った時、いろいろな種類のドアノブや水道の蛇口に、プロ用か思うような工具類など広い売場がありました。
日曜大工のコーナーにしては充実しすぎている感じでしたが
いろいろ話を聞くと、この売場の意味が分かりました。
日本のアパート・マンションなど賃貸物件は、退出時現状復帰が基本ですよね。
しかしフランスでは汚れていたり、修理が必要な場合は修理代を負担しなければいけないそうですが、手入れの必要が無ければOKなんだそうです。
フランス人と結婚した友人も、最初に入ったアパートの壁に断熱材が入っていなかったから自分たちで断熱材を入れたり、壁紙を張ったりしたそうです。
購入した家になると、壁を抜いて一部屋を大きくしたり、庭へ増築したり、電気・ガスなどの専門的なところはプロに頼むこともあるそうですが、内装などはかなり本格的に大工仕事をするようです。


★灯り
ホテルやマンションなどでは間接照明が普及していますが、日本で部屋の電気というと部屋の真ん中の天井からつるすタイプの電灯(蛍光灯)が中心ですよね。
しかしフランスでは間接照明が一般的です。
友人宅に行くと、どこの家庭でも天井に向けたカバーのついた背の高いスタンド型のライトを使っています。部屋全体を明るくするのではなく、部分照明にしているのです。
本を読んだり、手紙を書いたり、細かい仕事をする時は読書灯をつけるのです。
また夕方かなり暗くならないと部屋の灯りをつけません。
別に節約生活をしているのではなく、明かりに対する考え方の違いでしょうね。

日本の住宅は日当たりを重視して大きな窓があると、採光性に優れていると判断されますよね。
しかしフランスの伝統的な住宅はあまり大きな窓は作られていないようです。
日本で日当たり良好と喜ばれる日差しもフランスでは大切な家具が日焼けしてしまうと嫌がられるみたいです。
日本人の感覚からすると、日中でも灯りをつけたくなるような薄暗さです。

日本の昔の木造住宅は、蒸し暑い夏を快適に過ごすために開口部を大きく取り風通しを良くしていたとか・・・
フランスの住宅は、石造りで気密性に富み冬の寒さに対し暖炉の暖房効果を高めているとか・・・
家並みなどの風景はその土地土地の状況によって違うのも、気候の違いによる部分もあるのですね!


 5   花のある暮らし   
フランス人にとって“花”って日本人以上に身近なのかな・・・
なんて思ってしまいます

語学教室のネイティブの先生や、日本人の生徒の人たちを招いてホームパーティをした時フランス人の男性講師は花束を持ってきてくれました。
ドアを開けた時、小さな花束を差し出されちょっとドキッとしました。
彼には花を贈る習慣がごく普通に身についているのでしょうけれど、受け取る私にとって非日常だったからでしょう。
しかしパリの街角でお花屋さんを見かけた時、あの小さな花束を思い出しました。

またフランスのママはホームパティーに招待されていた時、庭の花を摘んでお土産に持って行きました。
そう言えば日本で“ブーケ”と言うと花嫁が持つ花束をさしますが、“ブーケ(bouquet)”はフランス語で単に花束・束のこと。料理に使う香草の束も“ブーケ・ガルニ”と言いますね。

また庭のないパリの街角でも、ビルの窓辺には道行く人たちが楽しめるように、花が飾られていました。
日本だと部屋の中から楽しめるように花を飾ることがあっても、道行く人たちが楽しめるように飾る人は少ないかな・・・
こんな光景は、フランスだけではなくヨーロッパの各地で見られるようにも思いますが・・・




日本同様パリなどの都市部では庭付きの住宅は少ないけれど、郊外に行くとお庭を花で飾った家をたくさん見ました。

ブルターニュのリゾート地のような島の中の家々はどこも花で飾り立てられていました。
そんな家をゆっくり見てまわるだけで楽しかったですよ!





●紫陽花
日本では紫陽花は梅雨の時期に咲くので、雨が良く似合う花のイメージがありますね。
しかし紫陽花は青空と明るい日差しの下でも似合う花なのです。
7月にフランスを訪れた時、ちょうど紫陽花が美しい季節でした。日本で梅雨空の下、ひっそりと咲く紫陽花もきれいですがブルターニュの石造りの家の側の咲く紫陽花もそれはそれはすてきでした!!








 6   ヴァカンス   
ヴァカンスの過ごし方
フランスでは、みんなヴァカンスを楽しみにしています。
法律で、年間5週間のヴァカンスの取得が定められているのです。
これはまとめてとっても良いし、分けて取っても良いらしいです。
7月14日の革命記念日のころから、8月にかけてヴァカンスを取る人が多いようで
8月のパリは、ヴァカンスでお休みのお店が多いとか、地方や海外からの観光客ばかりなどと言われています。
しかしみんなが夏にヴァカンスを取る訳ではなく、フランスで暮らしている友人は時期をずらして航空券の安い時に日本へ数週間帰国しています。

しかし毎年数週間のヴァカンスというと、費用だけでも大変そうですが
海外旅行や、別荘・リゾートホテルなどでのんびり過ごすのは
やはり生活にゆとりのある人たちで
田舎の実家や友人の家で過ごしたり、キャンプをしたりと費用のかからない過ごし方をしている人が多いようです。

私はフランスに行くと、知人宅にホームステイをさえてもらっていますが
すごく親しくしていた人たちではないのです。
初めてフランスに行った時に、いろいろお世話になったのは
当時のフランス語の先生のママと妹さんです。
特にママは、我子の生徒というだけで、私を自宅に数日間泊めてくれ
毎日、観光に連れて行ってくれたのです。
またその後お世話になった友人たちも
特に親しい友人ではなく、海外のリゾート(CLUB MED)で出会って
一緒に撮った写真を送ったことをきっかけに、カード・手紙やメールのお付き合いをしていた友人たちです。
せっかく近くに行くのだからと、連絡をすると
自宅に泊まるようにと言ってくれるのです。
人に親切にすると、回りまわって、今度は自分が親切にしてもらえる
自分が人に親切にしてもらったから、今度は自分が他の人に親切にする。
計算ではなく、自然にそんなふうに考えているように思います。
だからヴァカンスで、実家に帰る友人についていったり
友人宅に泊めてもらったり、などということも自然にしているように思いました。

そして休暇中特別なことをしなくても、散歩をしたりのんびり過ごすことで休暇を楽しんでいるのです。
海外のリゾートに行ったことのある人は感じたことがありませんか?
欧米の人たちは、休暇をのんびり楽しんでいると・・・

ハワイに行った時、私は友人と午前中はプールサイドで、午後はビーチで過ごし
夕方プールサイドに戻ってくると、午前中チェスをしていたカップルは同じようにチェスをしていましたし、ビーチベッドで本を読んでいた人は同じように読書をしていました。
タヒチのCLUB MEDに行った時、毎日同じビーチの木陰で読書をしたり、友人とおしゃべりをしていると
毎日、私たちの近くで過ごしていたイギリス人の年配のご夫婦に
“あなたたちは、日本人なのにエクスカーヨンに行かないのね。
日本人はみんな、毎日忙しそうにエクスカーションに行っているのに・・・”
と不思議がられました。
欧米の人たちもエクスカーションには参加しています。
しかし滞在期間が長いので、時々参加している・・・そんな感じなのでしょうが
やはり見ていると、ゆっくり過ごしていると感じます。
何もしない、そんな贅沢を楽しんでいるように・・・

夏のヴァカンスシーズン、フランスでは会社が休みでなくても社員の多くが休暇を取っていると業務が滞ってしまいます。
日本では、“担当者が休暇中で・・・”などと言うことはないですよね。
しかしフランスでは、ごく普通に言われてしまうようです。
9月からの新学期に向けて、フランスに留学する人たちが大学・銀行・役所などの担当者のヴァカンスで手続きが進まず困ることがあるようです。
これもお国柄なのでしょうか?


ヴァカンスにかける情熱
フランス人にとってヴァカンスは一大イベント。
年に一度のヴァカンスのために積立貯金をする人もいるとか・・・

長期の休暇が取りにくい職場にいたとき、フランス人の友人に
“なかなか休めないから遊びに行かれない”と言うと
“お互い様なのだから、同僚と交代で休めばいいじゃない!”
と意図も簡単に言われてしまいました。

また他の友人に“休みがもらえそうだけど、ツアー代金が高すぎて遊びに行けない”と言った時には、リゾートの支配人を知っているから割引してもらえるように頼んでくれると言うのです。
しかしそのリゾートに行くためには国内線を利用しなければならなく、
旅行社に問い合わせたところ、現地のホテルの手配も旅行社がしなければ国内線の手配が出来ないということが分かりました。
国内線を含めて航空券の手配を日本でするためには、航空会社に依頼するしかなかったのです。
しかし正規割引のチケットは高くて、ホテル代金を割引にしてもらってもツアー料金と変わらない料金がかかることになり、旅行をあきらめようと思ったのです。
そのことを友人に話すと、“もっと安ければいけるんだよね?”
と言ってもう一度聞いてくれると言うのです。

私は諦めているのに、ヴァカンスに行かれない私をかわいそうに思い一生懸命になってくれたのです。
日本人なら、“仕方ないね”で済ますところでしょうけれど
フランス人の友人には他人事ながら“仕方ない”では済ませられなかったのでしょうね。
彼らにとってヴァカンスは大切な行事なのです。


ヴァカンスもペットと一緒
南仏の有名な観光地を訪ねた時のことです。
復活祭のあとということもあり、フランスも観光シーズンに入っており多くのフランス人観光客も訪れていました。
そんな中特に目に付いたのが、ペットの犬を連れた家族連れが多かったことです。
街中のカフェはもちろん、時にはレストランでもリードを付けた犬を連れているのは日常の風景ですがまさか観光地で見かけるとは思いませんでした。
しかしよく躾けられていて、人混みの中でも、他の犬に遭遇しても吠えないのです。

でもさすがにリードを付けられないネコは連れて行けないようで、ネコを飼っている友人はヴぁカンスに出かける時はご近所のネコを飼っている知人にお願いして行くそうです。
また他の知人はネコを飼い始めてヴァカンスに連れて行ってくれなくなったとこぼしていました。


旅の予定
バックパッカーのようにリュックを背負って気ままな旅をする人もいるのでしょうが、
どちらかと言えば個人旅行だけではなくツアーでも自由時間をどうしようかといろいろ調べたり計画したりする人が多いのではないでしょうか・・・
このページに来てくれたあなたもフランス旅行の計画があるのではないでしょうか。

しかしフランス人の場合はちょっと違うようです。

フランスでお世話になった友人が、初めて日本に遊びに来ました。
今までも何度か“日本に行くから安いホテル探して”とのメールをもらい楽しみにしていました。
ホテルを調べて連絡すると“航空券が思った以上に高いから止めた”との連絡。
今回も航空券を取ったとの連絡があるまでは分からないと思っていました。
詳しい日程の連絡は、来日一ヶ月前でした。
お世話になったお礼に休みを取って案内することを考えていたので、
“日本で何がしたい?”とメールしたのですが、今回は親子旅行だから私が休みの週末だけ一緒に過ごそうとのメール。
ところが来日してから、京都に行きたいと言い出したり
六本木で安いホテルを知らないかと言ったり
銀座に行こうと言うので、銀座に行くとお昼ご飯はお鮨が食べたい(銀座でお鮨!?)。
築地は近いのか?皇居に行ってみたい・・・etc
前もって言ってくれれば、午前中築地に行ってお鮨を食べてから皇居に行けば、
開園時間15時までの東御苑にも行くことが出来たし、銀座は夕方にかけての時間帯でも良かったのにと思ったのです。

日本に着てから、日本のガイドブックを買ったらしいので事前に情報を持っていなくてリクエストがなかったのかも知れませんが
日本人が海外に行く時はいろいろ調べる人が多いのではないでしょうか。
ツアーのように何もかも事前に決められたスケジュールよりも、実際に行ってから気に入ったところがあればゆっくりするフリーの旅のほうがいろいろ発見はあるでしょうが。

フランスでは日本よりも長いバカンスを取るので、事細かく決めて行動する必要がないのでしょうか?
でも最低限の計画を事前にしていれば、短い滞在でも時間を無駄にすることはないのにと思うのですが・・・

一緒に過ごした短い時間の中で、友人親子が興味を示してカメラを取り出したのは
銀座の歩行者天国、ソニービルの前に設置されていた沖縄の海を再現した大きな水槽の前の人混み、電車の中から見えた高速道路の渋滞、そして並んで座っている乗客全員が居眠りをしている様子・・・

私たち日本人旅行者の姿はフランス人にはどんな風に映っているのでしょうか?




 7   大人社会とつがい社会   
★大人社会
フランスは大人社会です。
大人と子供とも住み分けができているというか、大人の生活がきちんと確立しています。
レストランなどには子供連れでは出かけないようです。
夫婦で食事やパーティなどに出かける時には、ベビーシッターを頼んで子供を見てもらうのが普通です。
ですから観光客である私たちが、フランスのレストランで食事をしていても騒いだり聞き分けのない子供の泣き声で雰囲気を壊されることがありません。

フランスでは夕食の時間が遅いので、家庭でも子供が小さいうちは子供だけ先に食事を済ませることもあります。
年末に友人宅に滞在した時も、当時2歳の子供はお子様メニューの夕食を先に食べさせてから大人の夕食をゆっくり楽しみました。
その間食事を済ませた子供は、おとなしく一人遊びをしていました。

社会自体が大人社会であるので、子供たちも大人の場所があることを理解しているのでしょうか?

しかし家族連れで観光に出かける方は、ちょっと不便かも知れませんね・・・
星の付いているようなレストランはまず子供連れでは無理でしょうが、カフェテリア(ルーブル美術館・ロダン美術館などにはありました)やカフェなどでは子供連れでも大丈夫かも知れませんが、デパートや食料品店でお惣菜を買って公園やホテルの部屋で食べるなどを考えておくのが良いでしょう。
またフランス人の方たちも出かけるような観光地でしたら、子供連れでもOKなレストランもあるようですが・・・



★つがい社会
フランスは大人社会であると同時に、つがい社会です。
パーティーなどに出かけるときは、夫婦・恋人同士などカップルで出かけるのが普通です。
海外のリゾートに女友だちと行ったり一人で行っている時にも、欧米の人から“なぜ恋人とこないのか?”と不思議がられることが多いです。
また男性同士の友人二人でリゾートに滞在していると、これもつがい(恋人同士)と見られてしまうこともあるそうです。

フランスで暮らす日本人にとって、このつがい社会になじめなくて大きな負担に感じている人もいるようです。

日本では若いうち・恋人時代はカップルで行動することが多くても、一般的には家族・同性の友人との行動が普通ですね。
しかしフランスでは、年を取ってもカップルでの行動が当たり前であると考えられているのです。
ですから子供を預けて夫婦で出かけることもごく普通のことと考えられているのでしょう。
日本では子供のいる夫婦が、二人で出かけることができるのは近くに子供を預かってくれるおじいちゃん・おばあちゃんがいる場合だけでしょう。
欧米のようにベビーシッターに預けるという選択肢はないですよね。
もし日本で子供を預けて夫婦だけで一流レストランに出かけたら、きっと周りから非難されるでしょうし、子供も納得しないのでしょうね!


こんなところにも文化の違いがあるのでしょうか!?



★男と女
フランスだけではなく、欧米では同じような感覚のところもあるようですが・・・
男と女の間に友情・友人関係が成立すると考えること。

一緒にリゾートに遊びに行った友人の女性が、その時知り合ったベルギー人の男性を訪ねて遊びに行った時のことです。
彼は友人の訪問に合わせて休暇を取ってくれていて、二人でヨーロッパ各地をドライブ旅行をしたそうです。
予定を立てずに気ままに旅をし、宿泊先は気が向いた町のインフォメーションでホテルを紹介してもらっていたそうです。
ところがある街でホテルを探しても、どこのホテルも空いていなかったそうです。
やっと一部屋だけ空いているホテルを見つけたのですが
友人は一部屋ということで、嫌だと言ったそうです。
一緒に旅行をするにあたって、友人は二つだけ条件をつけていたそうです。
部屋は別々の部屋を取ること、そして費用は割り勘にすること。
友情以上の感情を持っていなかった友人は、いろいろとおごられることで負担を感じたくなかったそうですし、また同室に泊まることなど考えられなかったそうです。
しかしその時彼は、
“もう疲れていて次の街まで運転をしたくないし次の町で必ずホテルが見つかる保障はないので、今日だけはここで我慢して欲しい。部屋は二つあるのだから”
と言ったそうです。
一つのルームナンバーで二部屋がドアでつながっているタイプの部屋と思った友人は、とりあえず二部屋あるのならとそのホテルにチェックインしたのですが・・・
なんとごく普通のツインの部屋だったのです。
友人はブロークンイングリッシュで彼と会話していた状態なので、ベットが別々なのだからということばを部屋が別々なのだからと勘違いをして聞いてしまったようです。
しかし目の前に二つのベットが並んでいる部屋を目の前にして、友人は部屋を飛び出してしまったのです。
しばらく外で気を静めると、今日は仕方ないと思うようになりその部屋に泊まったそうです。
しかしその後は二人の間の空気は微妙なのもだったそうです。
そして旅行の最後に、彼が日本語の個人レッスンを受けている在仏の日本人女性の家を訪ねた時、友人は思いっきり話ができることがうれしくて、
いろいろと初対面のその女性に話したそうです。
もちろんホテルの一件も話したのです。
するとその女性は、“こちらでは恋人同士でない男女でも、同じ部屋に泊まることはごく普通にある”と言うのです。
そして彼の方にも、日本では恋人同士でない男女が同じ部屋で泊まることをしないと説明してくれたそうです。
それで彼は友人が同室に宿泊することを嫌がった訳を理解してくれたそうです。

この話を聞いた後、私はフランス人男性とアメリカ人男性と食事をする機会があったので聞いてみました。
二人とも友だちなら当然でしょ!と言うのです。
最近の日本では以前ほど貞節を重視することもないようですし、個人の感覚で違いはあるでしょうけれど、欧米とは多少感覚は違うでしょうね。

私が初めてフランスに行った時、フランス語の先生(男性)の実家にお世話になったのですが、その時ママが用意してくれた部屋は先生の部屋でした。
結婚して実家を出ている妹さんの部屋もあるのに、息子の友人ということで先生の部屋を用意してくれたのだと思います。
これが日本なら、同性の兄弟がいれば、その部屋を使うようにしてくれるのではないでしょうか・・・




  8   季節にまつわるお話     
★クリスマスとお正月
日本のクリスマスは恋人同士で過ごすもの、そんなイメージがありますよね!
バブルの頃は女性たちは、有名フレンチかイタリアンのレストランで食事をして、一流ホテルにお泊りして高価なプレゼントをもらうそんな過ごし方が一種のステータスでしたよね。
今はそんな贅沢なクリスマスを過ごす人も少なくなったでしょうが、それでもクリスマスは恋人たちの季節というのは変わらないようですね。                  
そしてお正月は家族で過ごす日。
そのため年末年始は、ふるさとへ向かう多くの人たちで交通機関は込み合いますね。
しかし最近では、長期のお休みを利用して海外やスキーリゾートに出かける人も多くなったようですね。

一方フランスや欧米では、クリスマスは家族で過ごす日、そして大晦日からお正月は恋人同士で過ごす日という感覚のようです。
日本同様その感覚も薄れつつあるのかもしれませんが・・・

一度だけクリスマスにフランスに滞在した時も、友人の一人は家族一人ひとりのクリスマスプレゼントを用意して帰省しました。
それぞれ高価なものではないのですが、相手のことを考えて選ばれた品々でした。
私はイヴの夜は友人宅で友人たちでホームパーティーで楽しみました。
特別参加の私にまで、友人たちはクリスマスプレゼントを用意してくれていました。

また別の一人暮らしの男性の部屋にみんなで遊びに行ったのですが、大きなツリーやサンタクロースの人形などが飾られクリスマスモードのインテリアでした。
日本で一人暮らしの男性でツリーを部屋に飾っている人ってそんなにいないでしょうね。

また一戸建てに暮らす家族の家では玄関ドアーにクリスマスリースが飾られ、部屋には大きなツリーがあり暖炉の上には友人たちからのクリスマスカードも飾られていました。
お互いにインターネットをするようになってからは、クリスマスカードもメールでクリスマスメッセージを送っていましたが、お部屋に飾ってもらえるカードも良いかなと思いました。

フランスのお正月休みは元日だけで2日からは平常通りということですが・・・
でも大晦日は盛り上がるようなので機会があればお正月のフランスも見てみたいかな・・・

年末に帰国するために、南フランスからパリまで飛行機で移動したのですが、クリスマス休暇明けといった感じで日本の帰省ラッシュのような込みようでした。


                     


★マスク姿

インフルエンザが流行する冬から花粉症の辛い季節の春にかけて、マスク姿の人を日本では良く見かけますよね。
フランスでも花粉症はあるようですが、マスク姿の人はまったく見かけることはありません。インフルエンザが流行っている冬でも、もちろんマスクをかけた人はいません。
フランス人(欧米の他の国も同じようですが・・・)にとってマスクは、伝染病などの場合に使用するものという認識があるためのようです。
あるときTGVにマスク姿の人が乗車していたため、伝染病に感染している人が乗車しているとTGVが止まってしまう大騒ぎにまでなったことがあるとかないとか・・・

機内で乾燥防止のためにマスクをして眠る人がいる日本人の姿は、外国の乗客には異様な光景に写っているようです。

人通りの少ない場所を歩かなければいけない時、マスクをかけるのは効果的な防犯対策だったりして???


★すずらん
5月1日はフランスでもメーデー、労働者の日・祭日です。
そしてこの日はすずらんの日なのです。
愛する人、男女間のことだけではなく家族愛など広い意味での愛する人にすずらんの花束をプレゼントする日だそうです。
初めてフランスを訪れたのが、ゴールデンウィークの後でした。友人のお母様の家にホームステイさせてもらったのですが、すずらんの花が飾られていました。
5月1日にお嬢さんがプレゼントしてくれたと、うれしそうに話してくれました。
そしてお土産に持っていった備前焼の花瓶に生けかえて飾ってくれました。

友人宅では庭にすずらんがいっぱい咲いています。
5月1日に花を全部摘んじゃったと、キッチンに飾っていました。

5月1日にフランスに滞在すると、郊外の幹線道路沿いや街中などでもすずらんを売る人たちをたくさん見かけるのではないでしょうか。
この日ばかりは誰でもすずらんの花を売ることが出来るそうです。
あなたもすずらんを売る人の姿を見かけたら、ホテルの部屋に飾ってみてはいかがでしょうか?


★夏の日差し対策
ここ数年の美白ブームで、日本では紫外線が強くなる初夏から夏にかけて日傘をさしたりUV効果のある帽子姿の人も良く見かける光景です。
中世の絵画などには小さなパラソルを持った貴婦人の姿が描かれているので日本より日傘のイメージがあるのですが、フランスではどんなに日差しが強い時でも日傘をさしている人は見かけません。
むしろ公園などでは日光浴を楽しむ若者の姿さえ見かけます。
フランス女性にとって帽子は、日差しを防ぐものというよりおしゃれを楽しむファッションの一部という感じなのでしょうか。

フランスは日本よりも北に位置しているので、夏は日が長く冬は日が短いのはあなたも知っていますよね。
夏の日差しを楽しむのは、日の短い冬を過ごした後だからでしょうか。
そういえば夏の海辺では、欧米の女性たちは肩から背中にかけて水着の跡を残さないためにトップレスで日光浴を楽しんでいますよね。
小麦色の肌がおしゃれであると同時に、夏のバカンスを楽しんできた証なのでしょうか。


★夏の過ごし方  
一戸建てで暮らす友人宅では夏の間、庭がリビングになります。

南仏の小さな村で暮らす友人宅には広い庭があります。
遊びに行った時、到着してから冷たい物をと案内されたのが庭のガーデンテーブル。
パラソル付きのガーデンテーブルもありますが、そこのお家は時間によって出来る家や大きな木の影にテーブルを動かしてセッティングします。
午後のお茶だけではなく、夕食ももちろん翌日の朝食も庭で食べました。
夕食の時はガーデンテーブルにテーブルクロスを掛けてきちんとしたセッティングにします。
朝食の時は庭のサクランボの木からデザートを採って新鮮なサクランボを食べました。
食べ切れなかったサクランボは包んでくれ、電車で食べるようにとお土産に持たせてくれました。

パリ郊外の友人宅は、暖かくなるとご主人がテラスにシェードを掛け籐の椅子やテーブルを出して夏用の装いに変えます。
テラスが夏用のサロンになります。
冷房が無くても季節に合わせた過ごし方で気持ち良く過ごす、そんな暮らし方が素敵です。


★雨の日

語学教室の仲間たちとホームパーティを開いた時のこと、少し遅れて来たフランス人の先生は傘もささずに雨の中をずぶ濡れになってやって来ました。
フランスでは少々の雨ではみんな傘をささないようです。
一説にはフランスの雨は日本の雨より、雨粒が小さいからといわれていますが・・・

フランス旅行中雨にあったら、あなたはフランス人を気取って傘をささずに濡れていきますか? 
それとも濡れないために、折りたたみ傘用意して行きますか?

そんなフランス人の中で、雨の日はもちろんどんなに晴れていても必ず傘を持ち歩く人がいるそうです。
旅行者を案内するガイドさんです。
日本のバスガイドやツアーガイドたちが持つ旗の代わりだそうです。
ですからたたんだ時に目立つ色柄のものを選ぶそうです。


 9   おしゃれ   
★フランス女性のおしゃれ
フランス女性って『おしゃれ』というイメージがありますよね。
しかし街行く女性がすべてファッション誌から抜け出したような
おしゃれな服装を着ているかというと、そうではないかも知れません。

ただ日本のように、これが今の流行というとみんなが
同じようなおしゃれをしているというのではありません。


髪や瞳の色が皆同じ日本人は、洋服の色を選ぶというより
デザイン・雰囲気などの一部として色を捉えているように思います。
しかし親子・兄弟姉妹でも、髪や瞳の色が違うフランス人は
自分に似合う色を知っているというか
子供の時から、親や祖母が子供の洋服を選ぶ時に
髪や瞳に似合う色を選ぶのです。

旧植民地・海外県からの人たちや移民の人など、いろんな人種の人たちが暮らすパリでは思い思いのスタイルを楽しんでいる。
日本のように人の目を気にしない、自分らしく装う事を楽しんでいるように感じました。

しかし人に見られることを気にしていない訳でも、他の人の装いを見ていない訳でもないのです。

クリスマスに友人のお宅に泊めて頂き、ホームパーティーに参加させてもらった時のことです。
友人宅に宿泊中でもあり、家人の友人も普段着のままだったので私も特に着替えもしませんでした。
しかしおしゃれをして訪ねてきた女性が、そのままの服でパーティーをするのと文句を言っていたので、クリスマスパーティー用にと持って行った服装に着替えメイクを少し直し、アクセサリーを付け戻ると
喜んでくれ、クリスマスにピッタリと誉めてくれたのです。


友人のママのお宅に泊めて頂き、友人宅のホームパーティーにご一緒した時の事です。
その時も少し華やかに装うと、ママは誉めてくれ喜んでくれました。
もちろんママやパーティーに参加する女性たちは、おしゃれをしています。
高いブランド物の服を着るのではなく、流行の服を着るのでもなく
その人の個性に合う装いなのです。
ホステス役の奥様は黒のおしゃれなスーツに赤をインナーとアクセサリーにあしらった装い。
案内してもらったバスルームは真っ赤なバラのタイルがアクセントの内装。
それは正にその日の奥様のファッションと同じイメージでした。
一緒に出かけたママの友人の女性は、紫系統のプリントのトップスにミニスカート・大きなアクセサリーと色使いが個性的なおしゃれでした。

途中の車の中でママが突然『イヤリングを忘れた』と言い出したのです。
おしゃれの仕上げは、ネックレスをしなくてもイヤリングをするもの
そんなことをファッションの専門家が言っていたのを聞いたことを思い出しました。
しかしパーティーと言っても、レストランやホテルでのパーティーではないのです
ホームパティーなのです。
しかしママは先方の家に着くと一番に、イヤリングを付けてくるのを忘れた事を訴えるのです。
奥様はアクセサリーケースを持ってくると、ママと友人と一緒に選び始めたのです。
それにはちょっと驚きました。
正式なパーティーに出席するのなら、アクセサリーを借りるのも分かるのですが
ホームパーティーなのにそこまでこだわるのです。

おしゃれはTPOと言いますが、おしゃれを楽しんでいるように感じられました。
人にどんな風に思われるかよりも、自分が一番輝けるおしゃれをする。
自分が好きな物を、自分らしく装う。
それがフランス人女性がおしゃれといわれる理由かもしれません。