お食事

 
 

パリといえば芸術とファッションの街
そしてパリ・フランスは美食の街でもあるのです。
美味しいものを食べるのも旅の楽しみ
そんな食にまつわるあれこれ
ボナペティ BON APPETIT

 1   レストラン
★レストラン
レストラン選び迷いますよね。
事前にガイドブックやインターネットで調べてからでかけるのも良いでしょう。
でも下調べなくでかけた時は、現地の人たちでにぎわっているお店を選ぶのも一つの方法です。
フランスではほとんどのレストランの表にメニューを書いた黒板が出ています。
フランス人の人たちはじっくりメニューを見ています。
恥ずかしがらずにじっくり見てみましょう。
メニューが分からなくても予算内で食べられるか検討してみましょう。
そしてお店に入ってからもう一度じっくりメニューを見ましょう。

●メニュー選び
パリの観光客が多い地域では英語のメニューが用意されている場合もあるようですがフランス語のメニューしかなかったら・・・
携帯用の仏和辞典や電子辞書で調べてましょう。
少々時間がかかっても文句は言われません。
レストランでは定食(le meunu)がお勧め
日本で定食というと、お刺身定食・トンカツ定食など全てがセットされていますが
さすが美食の国フランス、定食といえども数種類用意されている前菜(スープ)・主菜の中から好きなものを選ぶのです。
個人主義の国では食に関してもお仕着せでなく自分らしさを好むのでしょうか・・・
ビニールのテーブルクロス・紙のナプキンが使われている大衆的なレストランでは一皿の量が大目かな・・・
食事が終わったらデザートの注文を取りに来てくれます。
お腹の具合と相談してお召し上がりください。
日本だとデザートと食後のコーヒーは一緒に持ってきてくれますが、フランスではコーヒーはデザートの後です。
お腹が一杯の時はデザートを注文しなくてもかまいません。

●チップ
ほとんどの場合、service comprisといってサービス料金は含まれているようですが、お釣りの小銭をチップとしておいて置き人が多いようです。



★カフェ

少し大きなカフェでは簡単な食事も出来ます。
定食(le meunu)があるカフェもありますし、サンドイッチなどの軽食がありますので手軽な昼食などには良いでしょうね。
サンドイッチは日本の食パンではなくバゲットにチーズやハムをはさんだものですので、かなりのボリュームがあります。
またチーズやハムの入ったキッシュ(quiche)という小さなパイもカフェでの軽い食事にはお勧め!
またオムレツなどもありました。

ルーブル美術館のピラミッドを望む回廊の一角にカフェマリーという有名なカフェがあります。
当日でしたら何度でも美術館への出入りは自由ですので、このカフェでランチもいいですよ!
部屋の中ではちゃんとした食事も出来るようですが、私は回廊の席からピラミッドや建物を眺めながらのランチが好きです。
オムレツやクラブサンドイッチなどがありました。
しかし有名店ですので値段は高めですが・・・


★クレープ専門店
日本でもクレープはポピュラーな食べ物になりましたよね。
でもそのほとんどがデザート・スイーツとしてのクレープ・・・
しかしフランスのブルターニュ地方ではクレープも食事なのです。
小麦粉で作る甘くないお食事クレープの他に、そば粉で作られるクレープ、ガレットもあります。
お食事クレープやガレットにはチーズ・トマト・ハム・卵などを乗せて食べます。
お食事クレープやガレットとデザートクレープがセットになった定食もあります。
クレープの発祥の地ブルターニュではクレープ専門のレストランもいっぱいありますし、焼いたクレープやガレットだけを売っていて自宅でも気軽にクレープやガレットを楽しんでいました。
パリにもクレープ専門店がありますので、見かけたら一度いかがですか?



★エスニック料理
フランスには移民をふくめて、いろいろな国の出身の人が大勢暮らしています。
レストランもフランス料理だけではなく、いろいろな国の料理が食べられます。
13区には中華街があり、チャイニーズレストランもあります。
またフランスとつながりの深いアフリカ料理やトルコ料理・インド料理のレストランもあります。ベトナム料理もフランスでは人気があるそうです。
フランス料理にちょっぴり飽きた時には、ぜひお試しください!


★日本料理
オペラ座付近は、プランタン(高島屋)・ギャラリー・ラファイエット(松坂屋)や三越があり、日本人観光客の多くが訪れるためか日本料理のお店もたくさんあります。
ラーメン屋さんなんかもあります。海外で和食のお店を見つけて喜んで入ると、中国人や他の国の人の経営で味にものなりなさを感じることもありますが、フランスには多くの日本人の人たちががんばっているようです。もちろんすべての和食のお店が、日本人経営ではありませんが・・・
私は一週間ぐらいお米を食べなくても平気ですが、初めてフランスへ行った時は疲れから食欲がまったく無く思わず和食のお店に入り、焼き魚定食なんて食べてしまいました。
フランスで食べる和食は少々割高ですが、疲れて脂っこいものを受け付けない時にはオペラ座付近を歩いてみてください。
お弁当なんかも売っているらしいですので・・・



    

 2   フランスのパン
★フランス家庭でのパン
フランスのパンというとクロワッサンやバゲットが代表的ですが・・・

フランスの家庭で主食として買われているのは、バゲット(長くて周りが固いパン)やパン・ドゥ・カンパーニュ(大きめな丸い周りが固いパン)などのシンプルな味で、周りが硬く歯ごたえのあるパンが主流のようです。
代表的なフランスのパンのイメージがあるクロワッサンはカフェなどでは見かけますが、私がホームステイさせていただいたフランスの家庭ではお食事パンとしてバゲットやパン・ドゥ・カンパーニュが食卓に上りました。

パン屋さんの店先には沢山の種類のおいしそうなパンが並んでいます。
しかしバケットなどのお食事パンとクロワッサンなどのパン、あまり値段が変わらないのです。
毎日の主食となると、手ごろな値段で飽きのこない味のものが好まれるのは当然のことでしょうね。

昼食や夕食の時は、パン籠に適当な大きさにカットしたり大きなまま盛られて出てきます。
自分で好きなだけ取ります(大きなままの時は自分で好きなだけカットします)。
昼食や夕食の時はトーストしないで食べます。
そして翌日の朝食は、前日の残ったパンを丸い大きなパンなら適当な厚さに、バケットなら横に厚みを半分にカットしてトーストします。

すべての家庭がこうではないでしょうが、私がホームステイさせていただいた家庭のお話です。



★家庭でのパンの食べ方
朝食の時のトーストしたパンは、日本と同じくバターとジャムをつけて食べます。
日本のフンワリした食パンと違い、トーストするとパリパリとした感じになります。
そこでバター・ジャムをつけたパンを、カフェオレやティオレ(濃い目に入れた紅茶に牛乳を入れたミルクティー)に浸して食べるのです。
フランスのママいわく、ママの友人がイギリス人の男性と結婚してこの食べ方をすると、ご主人はマナー違反だと嫌がっていたのに今では同じ様にトーストしたパンを飲み物に浸して食べている。
私もマナー違反と思いつつも、ママに勧められるまま試してみると、結構おいしいのです。
あなたも試してみてはいかがですか?
でもこれは家庭のマナーで、外ではあまりしない方が良いらしいので
明日の朝食の時にでもどうぞ!

昼食・夕食の時のパンは、日本のお茶事の時の懐紙の代わりのもなるのです。
家庭での食事では前菜もメインディッシュも同じお皿を使うので、食べ終わると次の料理を取る前にお皿をパンできれいに拭うのです。
ですから気をつけないと、つい食べ過ぎてしまいます。

※お茶事:お茶(抹茶)を食事を挟んでいただく
       お抹茶をいただいた時はもちろん、食事の時も食べ終わった
       (飲み終わった)器は懐紙できれいに拭いておきます。




 3   チーズの話
バゲットにワインそしてチーズ、フランスでの簡単な食事のイメージがありますよね!

★チーズはデザート
日本でも大小様々なメーカーからいろいろなチーズが作られるようになりましたし
スーパー・デパートのチーズ売場はもちろん、チーズ専門店もでき
日本製・輸入などのたくさんのチーズが並ぶようになりました。
しかしマルシェ(市場)にもチーズ専門店があるフランスでの種類や数の多さにはかないません。

日本でチーズを食べるというと、ワインなどのお酒のおつまみのイメージがありますが、フランスではチーズはデザートの一種類なのです。
レストランのメニューにもデザートの欄にFomage(チーズ)がありますし
家庭の冷蔵庫にも数種類のチーズが入っていて、昼食や夕食のデザートに食べるのです。

おつまみのイメージがある日本では、チーズは一口大に切って盛り付け、楊枝やデザートフォークなどでそのまま食べますよね。
でもデザートとして食べるフランスでは、数種類のチーズが大きなまま盛られたお皿から、自分が食べられる分だけを自分のお皿に取り分け
バケットなどのパンにバターを塗り、その上にチーズをのせて食べるのです。
フランス人の友人のママの家では、チーズの時グリーンサラダを添えてくれます。
濃厚なチーズにさっぱりとしたグリーンサラダはおいしいですよ!!!



★チーズの食べ方etc.
フランス旅行から帰ってすぐ、語学学校の先生・生徒の方たちとホームパー、ティーの予定があったので、お土産にチーズを買って来たことがありました。
チーズと一緒にバゲットとバターを用意して行きました。
アメリカ人の先生とフランス人の先生が二人づつ出席してくれたのですが
アメリカ人の先生は、バケットにバターを塗って食べてしまい
チーズはおつまみに食べながらワインを飲んでいました。
フランス人の先生は、バゲットにバターを塗ってチーズをのせてワインと一緒に食べていました。
日本人はというと、アメリカ人の先生と同じ食べ方でした。

でもフランス式の食べ方を教えてあげると、みんなもおいしいと言ってくれました。
あなたも一度フランス式の食べ方をお試しあれ!!!


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 4   フランス家庭の食事
日本では一部の高級日本食店や高級旅館などの会席膳やお茶事の茶懐石では、前菜から一品づつもてなされますが
一般家庭などでは『○○定食』といった感じで主菜・副菜・ご飯・汁物すべてをテーブルに並べて、交互に食べますよね。
しかし今の子供や若者の中には交互に食べることができない人がいるとか(一部の学校では三角食べなどと教えているとか・・・)
外国人もこの交互に食べることができない人が多いらしいです。
フランス人の男性と結婚した日本人女性のホームページでも、ご主人が一品づつ(お味噌汁だけ・ご飯だけ・おかずだけ)しか食べられないというのを見たことがありました。

フランスの家庭(少なくとも私が知っている限りですが)では前菜・主菜と一品ずつ出てきます。
お母さんは自分が前菜を食べながら、みんなの食事の進み具合を見て主菜を用意します。
オーブン料理などは、前菜が食べ終わるころにできあがるように準備をします。
ステーキなどは、フライパンを2〜3枚使いながら食事の途中で焼きます。
そしてその間家族はワインを飲みながらおしゃべりをしたり手伝ったりします。
主菜は、前菜で自分が使ったお皿のソースなどをパンで拭ってから同じお皿に取ります。
前菜・主菜といっても家庭で食べるのはそんなに凝った料理ではありませんでした。

ちなみに私がお世話になった家庭では
●前菜
グリーンサラダ(オリーブオイルとビネガー・塩・胡椒を混ぜ合わせた手作りドレッシング)
ポテトサラダ(日本のポテトサラダと同じ)
にんじんのサラダ(チーズおろしで線切りにして手作りドレッシングで合えたもの)
ライスサラダ(タイ米のような粘り気の無いお米を洗わずお鍋に水と一緒に入れて、炊くというより茹でる感じで柔らかくなったら茹で汁を捨て、ゆで卵のみじん切り・たまねぎのみじん切り・フランスでは『スリミ』と呼ばれている日本の蟹かまぼこをほぐしたものなどを自家製ドレッシングで合えたもの)
おいしいラディッシュの季節はお皿にラディッシュだけを盛りつけたもの
おいしいハムを2〜3種類盛り合わせたもの
などなど家庭ではそれほど手のかかるメニューではありませんでした。
前菜の代わりにスープと主菜などというメニューもあるようです。
●主菜
牛肉(どこの部位か分からなかったのですが固まり)のオーブン焼き、付け合せの皮付きジャガイモも一緒に焼く
詰め物をした鶏の丸焼き(もちろんオーブンで)
中身をくりぬいたトマトにひき肉(香辛料などで味付けされた専用のものを売っているらしい)を詰めてオーブンで焼いたもの
パパが港まで買いに行ってくれたおいしいアワビのステーキ
ステーキ・クスクス(インスタント食品利用)など
どちらかといえばオーブン料理が多かったように思います。
●デザート
どこの家庭でもデザートのチーズは2〜3種類出ました。
その後ケーキが出る場合もありました。
また家庭でもコーヒーや紅茶はケーキを食べた後からでした。

こんな感じで一品づつ食べる習慣が身についているフランス人に三角食べは難しいのかな???
またフランスの家庭では男性がキッチンに立つのも一般的なのかな?
フランス料理のコックをしていた友人のフランス人ご主人は、お休みや早く帰った日などは料理をしているようです。
年末に遊びに行った時には、クリスマス休暇中とかで家にいたため食事の用意を全部してくれました。
前菜(ご近所の方が狩りをしたウサギを使ったテリーヌ)
主菜2品(鴨肉のソテーのマンダリンソースかけとフォアグラ)
手作りケーキなんて本格的フルコースは別格としても
閉店までのディスコで遊んだ後、お店の近くに住む人の家に7〜8人で泊まった時もフランス人女性もいたのに翌日の昼食を作ってくれたのは一緒に泊まったフランス人男性でした。
またフランスのママと一日ドライブをして帰るとご主人が夕食の用意をしてくれていたし・・・
最近は日本人男性もキッチンに立つ人は多くなったようですが、フランスではごくごく自然に感じました。

●お茶をどうぞ
友人知人の家を訪ねて、お茶でも見たいな感じで勧められるのはコーヒーかな・・・
そんな時たいていは、エスプレッソマシンやコーヒーメーカーで入れてくれました。
コーヒーが嫌いな友人と、一人暮らしのフランス人男性の家に行った時は紅茶を入れてくれました。
しかしお湯を沸かすのは、やかんではなく片手なべでした。
男性の一人暮らしなので、その時はやかんがなくてもなんとも思わなかったのですが
最近読んだエッセイの中で、
『フランスの水は硬水なので、お茶を飲む時はやかんで水を沸かすと後が大変なので片手なべでお湯を沸かす』とありました。

そのフランス人男性の家にやかんがなかったのは、男性の一人暮らしだからではなくてフランスでは普通の事だったのです。


今日はちょっとフランス風にワインとデザートはいかがですか?

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 5   季節の味   
日本では食べ物の季節感が感じられなくなってきたように思います。
スーパーの野菜売り場には季節に関係なく、一年中きゅうり・トマト・レタスなどが並んでいますし、イチゴなどもクリスマスの頃から春まで店頭に並びます。
最盛期に食べる食品が栄養価も高いといいますが、今や旬が何時なのか分からない食品が多くなったように思うのは私だけでしょうか?

都会であるパリの街中にさえマルシェ(市場)があるフランスでは食べ物の季節を大切にしているように思います。

ゴールデンウィークにフランスへ旅して、パリ郊外と南仏の知人宅にホームステイさせてもらった時の事です。
フランス到着したその日、友人宅での夕食の時『ホワイトアスパラの季節だから』と前菜に用意してくれました。
ドレッシングではなく、フランス人のご主人も好きだからとキューピーマヨネーズで頂きました。
ホワイトアスパラというと缶詰のヒョロッと細く軟らかいものしか知らず好きではなかったのですが、生を茹でたホワイトアスパラは太く、先ずその大きさにびっくりそして味も美味しく好きになりました。
そしてその後訪れた南仏の2軒の知人宅でも、前菜にホワイトアスパラを出してくれました。
1軒はドレッシングで、もう1軒はママが食事の支度をしている間“カチャカチャ”とパパが作ってくれた自家製マヨネーズで頂きました。
昼間ポンデュガールを散策していた時、パパがマルシェで買ってきてくれたから夕食に食べましょうと野菜の名前を言ったのですが私には聞き取れなくて、何度も聞き返すと道端のスギナのような草を指差すのです。
春だし日本で言うところの山菜のような物かなと勝手に解釈していました。
そして夕食の食卓に並んだのが、ホワイトアスパラでした。
確かに土筆とアスパラ似ていますよね!?
そしてその後パリのビストロで食事をした時も、隣の席のマダムが前菜にホワイトアスパラを注文していました。

フランス人にとってホワイトアスパラは春の味なのでしょう。
でも帰国後吉村葉子さん(下に彼女の本を紹介)の本の中にホワイトアスパラの事を書いてあるのを見つけましたが、どうやらホワイトアスパラは高いものらしいのです。
せっかく日本からやって来たのだからと、気を使って季節のご馳走を皆さんが用意してくれたのでしょう。

あと季節の味と言えば、その時の旅行で3軒のお宅で用意してくれたデザートで同じ物がありました。
春といえば『苺』、これは日本もフランスも同じでした。
日本の苺より甘味が少し薄かったかな・・・
甘味が足りない時、日本ではコンフィデンスミルクが定番ですよね。
スーパーでも苺の売り場の側に、チューブ入りのコンフィデンスミルクが並べられています。
フランスの家庭では、ホイップクリーム・クリームチーズ・お砂糖とその家庭の食べ方がありました。

もう一つ春の味・前菜といえば友人のご主人は新鮮なソラマメをバターを塗ったバケットに乗せて食べるのが好きです。
私も真似て食べてみましたが、新鮮だからか青臭さも無く美味しかったです。
地産地消だからこそ出来る食べ方でしょうね。




最近お気に入りのエッセイ
フランスで暮らしていた、筆者の目線のフランス暮らしあれこれ